前回は「環八×R16エリア」の特徴として、底堅い賃貸需要の高さを説明しました。

今回はこの環八×R16エリアに多く存在する「バブル期のRCマンション」について説明します。
バブル期RCマンションは品質が高い

バブル期RCマンションの特筆すべきは、物件スペックです。
施工のクオリティ・耐久性など、現在のRCと比べると段違いに高品質です。まるで注文住宅のような特別感のある間取り、贅沢感のある作り、他の時代のRCマンションには無い特徴も兼ね備えています。
何故かというとバブル期RCマンションは、今よりも多くの労働力・資源を投入して建築されたからです。
現代はバブル期と比べ、建築費が高騰し、建築に携わる会社・人の数は激減しています。そのためバブル期RCと同等スペックのRCマンションを建築するには、当時の2倍ほどの費用がかかるため採算が見合いません。
※スケールメリットを活かせるタワーマンションは除きます
バブル期RCは物件競争力が高い
そのため、今後このエリアにライバルとなる新築RCマンションが建つ可能性は極めて低いと言えます。仮に建ったとしても、バブル期RCと比べ建築コストが圧倒的に高いため、価格帯が競合にならないと考えられるのです。
それはつまり、バブル期RCマンションなら将来に渡って高い物件競争力を維持できるということを意味します。これは新築RCや新築木造住宅には無い大きなメリットになります。
そして私たちが推奨する「環八×R16エリア」には、バブル期のRCマンションがまだ数多く流通しています。
RCは法定耐用年数が長い
RC造は他の不動産よりも法定耐用年数が長いです。
一般に金融機関は、法定耐用年数から築年数を引いた残存年数内を基準として融資をします。したがって、法定耐用年数が長いとそれだけ融資期間が長くなります。これはキャッシュフローを考える上で重要になります。
- 軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm以下 19年
- 軽量鉄骨プレハブ造(骨格材肉厚3mm超4mm以下) 27年
- 重量鉄骨造(骨格材肉厚4mm超) 34年
- 木造 22年
- 鉄筋コンクリート造 47年
しかしよく考えてみると、バブル期からもう既に30年ほど経過しています。築年数が既に30年前後となると、残存年数がそれほど残っていないため、思ったほど融資期間は長くならず、通常だとキャッシュフローがプラスになりにくいです。
そのためどうやって「残存年数以上の融資を引くか」を考えなくてはいけません。

【参考】動画でわかる中古郊外RC