不動産経営と減価償却

    今回は不動産経営の観点から減価償却の理解を進めていきます。

    目次

    まずは減価償却の定義から

    国税庁のHPによると、減価償却とは

    減価償却資産の取得に要した金額を、その資産の使用可能期間の全期間にわたり分割して必要経費として配分していく手続き

    とあります。ちょっと分かりにくいため、「減価償却資産」「使用可能期間」という言葉を噛み砕いていきます。

    減価償却資産

    「減価償却資産」とは建物や建物附属設備のように、一般的に時の経過等によってその価値が減っていくもののことです。

    そのうち10万円を超えるものが、減価償却の対象となります。なので不動産売買の対象となる建物・設備はほぼ全て減価償却資産になります。

    使用可能期間

    文字通り上記の減価償却資産が何年使用できるかという期間のことですが、1点注意点があります。

    それは減価償却の文脈で言う「耐用年数」と「(税法によって定められた)法定耐用年数」とは一致しないという点です。詳しく見てみます。

    ちょっと複雑な話になるので読み飛ばしてもらってOKです。

    法定耐用年数(2017年4月~)

    SRC造、RC造建物
     住宅用47年、事務所50年、飲食店41年、店舗39年

    重量鉄骨造建物
     住宅用34年、事務所38年、飲食店31年、店舗34年

    木造
     住宅用22年、事務所24年、飲食店20年、店舗22年

    一般的な建築付随設備  15年

    エレベーター      17年

    アスファルト塗装    10年

    【耐用年数の計算】
    減価償却における耐用年数は、法定耐用年数を基準をとして[耐用年数を全て経過した場合][耐用年数を全て経過していない場合]によって異なる計算式で算出します。

    [耐用年数を全て経過した場合]
    法定耐用年数×0.2
    ex) RCの一棟物件で築50年の場合
      47×0.2=9.4 端数切捨てにより、耐用年数は9年

    [耐用年数を一部経過した場合]
    法定耐用年数-経過年数+経過年数×0.2
    ex) RCの一棟物件で築30年の場合
      47-30+30×0.2=23.0 端数切捨てにより、耐用年数は23年

    要は、減価償却資産の耐用年数>法定耐用年数です。

    減価償却には2つの方法がある

    減価償却の償却方法についても、税法上で定められています。定額法もしくは定率法です。

    一般的には毎年の償却額が一定となる「定額法」と、毎年の帳簿価格と定められた償却率を掛け合わせる「定率法」からの選択となりますが、建物本体、建物附属設備、構築物については定額法しか認められていません。

    減価償却と節税対策

    10万円を超える減価償却資産を購入した時、実際の出費は「購入時に一括して」いますが、不動産事業の収支計算においては「耐用年数に応じて配分されて」いるのです。

    このことは、物件購入後から耐用年数までの期間、実際は出費の無い「見せかけの出費」が行われていることを意味しており、これが節税対策に大きく影響してきます。

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