引き続き不動産市場は活況
全体的な市況感としては、各不動産会社の販売物件の売れ行きは好調です。販売直後、もしくは販売前に内々で成約となっていることが多いです。
当社は1億~5億前後の物件を得意としていますが、
- オープンハウスやトーセイなどの高額物件を扱っている会社も同様です。
- 一般法人、セミプロ、不動産ファンド、海外投資家による日本買いの勢いも衰えていません。
また、直近の上昇局面に乗り遅れてしまった金融機関がREITの買いに入ってきたというニュースもありました。東京証券取引所がまとめた投資部門別売買動向によれば、金融機関は6月まで5カ月連続でREITを売り越したものの、予想外の強さにいよいよしびれを切らして買いに入ったようです。
やはり、安定的に利回りが取れるREITは魅力なのでしょう。

こういった活発な市況のため、大手不動産会社も含め、仕入れ競争はますます激化しています。その証拠に、入札案件などはかなりの高額で決まっています。
そのため、なかなか「買い時が無い」と様子見をされている投資家様も多いと思います。
ノムコムが実施した直近のアンケートでも、不動産価格に対しての投資家の方々の予想が大きく変化しました。
1年前のアンケートでは「価格が下がる」が優勢でした。
コロナ禍の影響やオリンピック後の建設需要減退などが根拠です。
しかし今では約1年後「価格が上がる」との回答が大幅に増加しています。(※全体では「横ばい」が多数)

https://www.nomu.com/pro/news/2106_1.html
また上記アンケートの回答の中で、空室が増えたり、滞納が増えたという意見がありました。
一般的には家賃の安定性が共同住宅の魅力の1つですが、コロナ禍で賃貸需要に変化があったため、現在の家賃相場では賃料が割安な物件も意外と多くあります。
入居期間が長い物件は修繕予算を織り込む必要はありますが、家賃上昇幅との兼ね合いで長期的に資産価格を上げられる物件は狙い目かと思います。

融資動向は変わらず積極傾向
融資については特段引き締めの話はなく、A銀行、B銀行、C銀行は引き続き積極姿勢です。
最近ではD銀行、E信金、F銀行などで融資を受けたというお話もありました。やはり金融機関にとって、不動産以外で融資額を増やすことは現実的ではないのでしょう。
政府としても資産インフレによって、富裕層の資産を増やし、最終的に相続税で回収すれば良いという考えもあるのかもしれません。
7月のレインズ成約事例
1都3県の成約件数としては昨年対比で約218%(成約数増加)。先月と比べても成約が増加しています。
地域別では都内の物件の成約が大幅に増えました。
- 2021年6月成約数:31件
- 2021年7月成約数:35件
レインズ在庫は1078件(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)、先月の1075件から横ばいです。
昨年の11月以降、9カ月連続で在庫数が1100件を下回っている状況です。

また、今月も下記レインズ成約事例からいくつか抜粋させて頂きました。
①「東伏見」駅 徒歩3分 昭和63年 RC造
売出価格1.55億⇒成約価格1.49億
土地65.18坪 建物144.2坪
成約利回り⇒約8.8%
ポイント:駅徒歩3分、全面タイル張り
留意点:竣工時容積超過の可能性あり、一階店舗
②「武蔵浦和」駅 徒歩5分 平成4年 RC造
売出価格2.07億⇒成約価格1.99億
土地81.7坪 建物150.59坪
成約利回り⇒約8.3%
ポイント:駅徒歩5分、利回り8%前半
留意点:一階店舗、単身20㎡未満
③「さがみ野」駅 徒歩5分 昭和63年 RC造
売出価格1.225億⇒成約価格1.2億
土地97.68坪 建物167.23坪
成約利回り⇒約7.4%
ポイント:駅徒歩5分、土地面積300㎡以上
留意点:残存14年RC、地下車庫あり
④「篠崎」駅 徒歩9分 平成18年 RC造
売出価格3.07億⇒成約価格3億
土地204.58坪 建物177.53坪
成約利回り⇒約6.38%
ポイント:大成建設施工、残存32年、角地
留意点:ハザードリスク有、戸建て付
⑤「若松河田」駅 徒歩4分 平成7年 RC造
売出価格2.3億⇒成約価格2.15億
土地59.19坪 建物72.03坪
成約利回り⇒約4.9%
ポイント:三井住友建設施工、整形地、残存21年RC
留意点:接道△、利回り約5%
⑥「本郷三丁目」駅 徒歩5分 昭和51年 RC造
売出価格2.3億⇒成約価格2.3億
土地28.71坪 建物98.2坪
成約利回り⇒約4.56%
ポイント:文京区、駅徒歩5分、容積400%
留意点:土地約30坪、旧耐震
