【個人or法人】税率以外のメリット・デメリット

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    【法人保有のメリット①】所得の分散ができる

    法人から身内に給料を支払うことによって所得を分散させられることが挙げられます。

    例えば帳簿の記帳をお願いすることや物件の共用部の清掃を行うことなど、「法人が収益物件を購入して家賃収入を得る」という事業を行うために人を雇い、給料を支払うことは普通のことです。この給料は法人にとっては必要な経費(費用)となります。

    今回のポイントは、その「被雇用者」が自分の家族だった場合に税金はどうなるのか、という点です。

    家族に給与を支払った法人は・・・

    家族に支払った給料は費用として、法人の所得からマイナスされることとなります。仮に毎月10万円ずつ(年間120万円)を給料として支払った場合、一番安い法人税率(25.9%)でも120×0.259=約31万円(1)の節税となります。

    給与を支払われた家族は・・・

    新たに所得税がかかることとなります。

    給与所得120万円の場合、課税標準額は給与所得控除の65万円と所得控除(基礎控除)の38万円が引かれ、17万円となります。

    ここに所得税(5%)と住民税(10%)がかかるため、課される税額は2.55万円(2)となります。

    というわけで(1)-(2)=28.45万円、

    普通に法人で保有していた場合よりも、月10万円を家族に払うことによって28.45万円もの節税になるのです。

    収入2000万円のときの比較

    ここで、前回からの復習も込めて一度表にまとめてみます。

    例)年収2,000万円の給与収入がある人(諸々の所得控除200万円)が、不動産所得200万円の物件を持つ場合
    ※ここで言う不動産所得とは、家賃収入等から減価償却費や諸費用を引いた後の所得。

    なお、個人保有した際にも「青色事業専従者給与」として家族に給与を与えることができますが、専業という文字があるように会社員や自ら事業を行っている方に給与を与えても必要経費と換算できないこと、青色事業専業者給与を1円でも与えられた人は、配偶者控除や扶養控除の対象とならないことなど注意点もございます。

    【法人保有のメリット②】生命保険の活用

    法人の話をする前に、まず個人の控除について目を向けてみます。

    国税庁のHPによると、納税者が介護医療保険料及び個人年金保険料を支払った場合、一定の所得控除を受けることができるという記載があります。

    今回は、一般生命保険単独の控除について考えてみます。(介護医療保険料と個人年金を除く)

    保険料等の金額が80,000円に至るまでは右肩上がりに控除額が増えていきますが、個人では80,000円を超えると保険料をいくら払っても控除額は40,000円となります。

    価格コム・インシュアランスがまとめた世帯年収別の支払い保険料の推移を見てみると、年収1,000万円以上の方の支払い保険料月額は平均で2.52万円となっており、その年額は約30万円強となります。

    年額30万円も払っているのにも関わらず、年額8万円のときと同じ4万円しか控除されません。

    法人なら保険料控除の上限が無い

    対して、法人(代表者)を契約者として、代表者を被保険者とし、受取人を法人とした場合は、契約した保険商品の種類によって支払保険料のうち全額or1/2or1/3を費用として計上することができます。

    つまり、個人の場合のように費用計上できる額(≒控除額)に上限はないのです。

    しかし、保険を解約した場合の解約返戻金や、保険の対象となる事由発生(代表者の死亡など)は「収入」として計上されますので当然課税対象となります。

    ある意味、減価償却と同じような「税の繰り延べ」になりますので注意が必要です。

    保険で修繕費を積み立てる

    更に、保険を使用するメリットとしては、保険料を支払うことによって「修繕費の積み立てができる」ということです。

    つまり年間の保険料を支払うことによって経費計上し、節税効果を図り、数年後ある程度返戻金がたまってきたタイミングで解約すれば、手元に資金が入っていきます。

    その収入を修繕費など経費計上できる項目にぶつけて、結果的に「生命保険で節税を図りながら修繕費も賄う」という戦略も可能なのです。

    次回は、今回お話しきれなかった「個人で不動産を保有するときのメリット」についてお伝えできればと思います。

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