2021年10月/現場で感じる収益不動産市況

    本記事は公開1~2ヶ月前に配信した不動産投資メルマガの抜粋です。

    目次

    買い需要は高いが在庫は少ない

    まずは販売についてお伝えします。10月に新規販売を開始した物件については反響が予想以上に多く、改めて買い需要が旺盛だと感じました。

    一方で仕入れは苦戦気味です。同業他社に営業を行っていますが、どの会社からもほとんど売り物が無いと言われ、1棟レジの販売物件が極端に少ないと感じています。

    おそらく各社同じような状況ではないかと思います。不動産は大量生産できる商品とは異なり、個別性が強い資産なので、特に需給ギャップによる影響を受けやすいマーケットとなっています。

    融資環境の分析

    今月は融資環境についてボリュームを割いてお伝えさせていただきます。

    融資の間口は狭い

    相変わらず融資の間口は狭いです。一見のお客様には融資をしない金融機関も多くありますので、できれば紹介ルートで打診することをお勧めします。

    下記グラフからも全体として不動産融資は伸びているものの、前年比の伸び率は縮小していることがわかります。

    金融機関の不動産業向け貸出②
    【出典:日銀 金融システムレポート】
    金融機関の不動産業向け貸出
    【出典:日銀 金融システムレポート】

    不動産融資の稟議は、一般的な人が考えているよりも複雑で労力を使います。

    そのため契約前の融資相談では、銀行員が本腰を入れて審査するモチベーションが上がらないことも珍しくありません。なので少なくとも買付を提出する段階でご相談するのが望ましいと言えます。

    金利は下がり続けている

    現場で融資アレンジをする中で体感しているのは、「今は金利が安い」ということです。

    下記グラフからも約定金利が下がり続けていることが見て取れます。

    国内銀行の新規貸出約定平均金利
    【出典:日銀 金融システムレポート】

    銀行の格付け構成比

    次に債務者区分、いわゆる格付け構成比についてのグラフをご紹介させて頂きます。

    与信の債務者区分別構成比
    【出典:日銀 金融システムレポート】

    金融機関との関係性ができていればご自身の「格付け」を知ることもできると思いますが、金融機関によって「格付け」の考え方が異なりますので、絶対的な正解は無いと考えています。

    傾向としては、メガバンクで融資を受けるためには「正常先」であることは前提で、より高い信用力が必要にはなります。

    逆に信用金庫は要注意先の貸出先が20%以上占めています。
    そのため、調達コストや与信コストの観点から金利をある程度確保する必要があります。しかし反面、困ったときに融通が利くというメリットもあります。

    また最近は少し減りましたが、金融機関によっては期間限定で融資キャンペーンを行うことがあります。約10年前にX銀行が大々的なキャンペーンを行っていて、毎日のように融資担当者が営業に来ていましたが、今では信じられない光景です。

    いま話題のコベナンツ融資

    上記ほどではないのですが、Y銀行はコベナンツ融資を推進しています。ある程度認知度が高まったためか、再度商品設計について協議しているとのことでした。

    ★コベナンツ融資の最新状況は下記でご覧になれます。

    具体的には融資期間の判断について個別議論が必要になる可能性があるようで、蛇口が閉まる前に一度相談しても良いのではと思います。

    10月のレインズ成約事例

    続いて10月のレインズ成約事例についてご紹介させて頂きます。

    1都3県の成約件数は昨年対比で約152%(成約数増加)で、特徴としは「神奈川・埼玉・千葉」の伸び率が高いです。

    • 2021年9月成約数:35件
    • 2021年10月成約数:35件

    レインズ在庫は1100件(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)先月の1111件から増加しており、2ヶ月連続の減少です。

    プラン・ドゥの不動産
    レインズより当社集計

    10月の成約を分析

    今回は利回り10%近い旧耐震物件(耐用年数11年オーバー)から、利回り5%の平成2年RCの学芸大物件まで幅広い成約がありました。

    資金調達の関係で築年数、修繕、利回りはある程度相関はありますが、必ずしも融資を利用するばかりではないことから、利回り10%近い場合は現金のみで購入する買い手が増えてきます。

    平成築RCの場合、10年後のリセールをご心配されるかたもいらっしゃいます。土地の資産性と管理・修繕状態がポイントになりますので、賃貸経営である程度リスク管理可能ではないかと考えます。

    2021年10月 レインズ成約事例(抜粋)

    ①「新小岩」駅 徒歩21分 昭和51年 S造

    売出価格1億⇒成約価格1億 ※満額

    土地54.85坪 建物85.31坪

    成約利回り⇒約9.55%

    ポイント:利回り9%半ば、大規模修繕済み

    留意点:違反建築物、ハザードリスクあり、旧耐震

     

    「田無」駅 徒歩9分 昭和63年 S造

    売出価格1.85億⇒成約価格1.78億

    土地81.35坪 建物208.84坪

    成約利回り⇒約8.9%

    ポイント:接道◎

    留意点:1Fテナント有、耐用年数オーバー

       

    「馬橋」駅 徒歩12分 昭和63年 RC造

    売出価格1.98億⇒成約価格1.88億

    土地164.47坪 建物364.9坪

    成約利回り⇒約8.8%

    ポイント:建物グレード◎、接道◎、土地500㎡以上

    留意点:アンテナ2本あり(収入に対する比率が大きい)

     

    「新所沢」駅 徒歩10分 平成15年 S造

    売出価格1.14億⇒成約価格1.05億

    土地70.51坪 建物97.67坪

    成約利回り⇒約7.6%

    ポイント:S造ながら全面タイル張り、接道◎、2駅利用可能

    留意点:1Fテナント有

     

    「幕張本郷」駅 徒歩7分 平成8年 RC造

    売出価格1.78億⇒成約価格1.78億 ※満額

    土地182.42坪 建物203.58坪

    成約利回り⇒約7.05%

    ポイント:土地面積600㎡以上、駅近×ファミリータイプで賃貸安定

    留意点:戸数分の駐車場無

     

    「立会川」駅 徒歩6分 平成14年 RC造

    売出価格3.2億⇒成約価格2.9億

    土地90.05坪 建物136.49坪

    成約利回り⇒約5.6%

    ポイント:品川区・駅徒歩10分圏内、単身BT別

    留意点:利回り5%台、積算乖離有

    「学芸大学」駅 徒歩10分 平成2年 RC造

    売出価格1.69億⇒成約価格1.66億

    土地47.99坪 建物81.1坪

    成約利回り⇒約5.1%

    ポイント:目黒アドレス、管理状態◎

    留意点:利回り5%台、接道弱い、字型△

      

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