買い需要高い!仕入れモードな不動産業界
あっという間に今年も2月が終わろうとし、3末商戦まで1カ月を切りました。
コロナショックによって全体的にリスクオフのモードになり、海外投資家が来日できなくなったり様子見をする方もいると聞いています。最近は大型案件の流動性が高い印象なのでファンドや機関投資家に対してどのような影響を与えるか注視していきたいです。
不動産会社によっては決算対策による売却のお話がいくつかありましたが、会社の利益が確保できている会社も多く例年に比べて表に出ている案件が少ない印象です。(直近で売主不動産会社の3末値下決済案件がありましたが、翌日の朝、買付が入り売り止めとなりましたので買い需要は旺盛です)
やはり長引く金融緩和と好景気で不動産会社の純資産も増加したことで仕入モードになっていることから、早期売却の話があっても不動産会社同士で水面下で話が終わっている案件が多いのだと思われます。
例えばオープンハウスの第1Q決算は前年同期比で営業利益が300%以上ですし、目標も上方修正しており、スルガショックの後持ち直しが見られます。
逆にムゲンエステートは12月の本決算発表がありましたが前期比で約50%減となり、今後はより売却を推進していくとともに販売サイトを創設してテコ入れを行っています。
総じて不動産会社の仕入が苦戦しているとのことなので、4月以降も不動産会社による買いモードは変わらないと感じます。
融資は相変わらず厳しめ+地銀のエリア管理が厳格化
また、融資に関しては厳しい姿勢は変わらず、特に地銀の商圏が厳格化していると感じます。
ある意味本来の地銀の役割に戻ったと言えます。例えば横浜銀行が千葉県の物件への融資する際のハードルが上がったり、千葉銀行も神奈川にお住いの方や神奈川物件に対して融資をする際、「なぜ融資するのか?」を問われる傾向にあります。
もちろん、資産が潤沢な方に対しては融資をする大義名分がありますので引き続き優先的に進めて頂けると考えます。
また、耐用年数を超えた融資も厳しい傾向ですが、X銀行やY銀行は比較的柔軟性があると聞いています。
もちろん金融機関開拓は紹介で行くのが王道なので、知人や不動産会社を通じて打診するのが良いのではないでしょうか。
2月のレインズ成約事例
成約利回りは4%~10%までエリアと築年数などによって開きがありました。
中丸子の案件は浸水被害の記載はないですが、指値が約6000万円通った事例であり何か特殊な事情があったのだと思います。
新大久保2分の物件は約1年前に現地を見ましたがようやく売れたという感じです。
ただ、利回りは4%台と都内駅近ならではの価格という感じがします。
①桜木町バス21分 昭和60年 RC造
売出価格1.3億⇒成約価格1.2億
土地約71坪 建物約147坪
成約利回り9.7%
ポイント:利回り9%超、容積400%
留意点:店舗あり、残存12年、バス便
②国立16分 平成62年 RC造
売出価格1.15億⇒成約価格1.03億
土地85坪 建物面積131坪
成約利回り9.5%
ポイント:北東角地、満室稼働
留意点:徒歩16分、残存14年
③中丸子駅5分 平成4年 S造
売出価格2.48億⇒成約価格1.86億 指値6200万円
土地85坪 建物134坪
成約利回り約9.4%
ポイント:外観〇、東横線中丸子駅5分
留意点:鉄骨、残存6年
④浅草駅9分 平成元年 S造
売出価格1.35億⇒成約価格1.25億
土地42坪 建物93坪
成約利回り7.8%
ポイント:人気の浅草エリア、角地
留意点:店舗事務所あり、残存3年
⑤蘇我駅4分 平成29年 S造
売出価格1.58億⇒成約価格1.52億
土地62坪 建物100坪
成約利回り6.5%
ポイント:築浅(築3年)、徒歩4分
留意点:やや不整形地、国道16号外
⑥中野駅10分 平成6年 RC造
売出価格4.15億⇒成約価格4億
土地125坪 建物243坪
成約利回り6.1%
ポイント:オーナー住戸付、中野10分、
留意点:容積180%
⑦新大久保駅7分 平成21年 RC造
売出価格4.9億⇒成約価格4.9億 満額
土地105坪 建物175坪
成約利回り4.5%
ポイント:新大久保2分、残存36年
留意点:サブリース

1月に比べて大きな成約数の増減は無いですが、集計の時差の関係で2月は1月の成約数を上回ると思われます。
- 1月成約数:22件
- 2月成約数:21件
- レインズ在庫:1117件【平成元年築以降、1億~5億、東京都内、※重複有】
先月の1098件から微増です。


