2020年3月/現場で感じる収益不動産市況

    本記事は公開1~2ヶ月前に配信した不動産投資メルマガの抜粋です。

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    新型コロナ、不動産開発や賃料などに影響

    3月はコロナによる感染増加の影響で、本格的に自粛ムードが高まり、オリンピックも来年の7月23日に開会式を行うと決まりました。

    欧州を中心とした世界の状況を見渡しますと日本の感染拡大が抑えられているように思いますが、決して油断はできず、対策等は長期化する前提で考えていく必要があると思われます。

    不動産業界においては、ホテル、店舗の売上不振により開発案件処分、賃料減額交渉などが目立ちました。直近でオフィス賃料、店舗賃料が上昇していたことを考慮しますと今後の反動はかなり大きいと推測されます。

    収益不動産市場に大きな影響なし

    一方で、1棟賃貸マンションの売買に関しては現時点ではあまり大きな影響は出ておらず当社の販売物件もおかげ様で予定通り引渡しさせて頂きました。

    融資についても、下手に引き締めると批判を受けるという事もありますが、各銀行の融資も横ばいでスルガ銀行などは4月以降も積極融資姿勢のようです。(シェアハウス債権の売却で復配したことも影響があるかもしれません)

    ただ、今後の不景気が長期化する場合、家賃の支払い余力が低下し家賃の滞納や強制退去など、家賃収入の悪化を招く恐れもあります。そうなった場合には、賃貸住宅においても下落圧力がかかり売却物件が増えるかもしれません。

    また、REIT指数も直近高値より3割程度下落し、一時的に1200を割る場面もありました。(2013年の価格水準)

    楽天証券、東証REIT指数日足より引用

    直近の取引件数については司法書士に確認したところ、仕入れをストップしている不動産会社もあり、年内いっぱいは取引減少を織り込んでいるようです。

    オープンハウスなどは戸建て事業が好調とのこともあって、31日の本日も月内契約希望というアナウンスがあり、価格は下げても売却する方針のようです。

    成約案件も多いことから、買える方がいなくて値がつかないという状況ではなく、逆にこのような時期だからこそ本業の支えとして収益物件を買いたいという需要の底堅さを感じました。

    IT化が急ピッチで進む不動産業界

    また、今回の環境変化によって、IT化が遅れている不動産業界でもテレワーク、非対面仲介、IT重説など仕組改革も進んでいるようです。

    セミナーや商談なども極力避ける事から売上には一定の影響はあるものの、強制的にテレワークが進んだことによって通勤しなくてもなんとか仕事が回るという事に気付くきっかけにもなります。今後、フリーランス人口が増える事が予想され、その際の懸念点が入居審査です。

    やはり収入が不安定というイメージがありますので敬遠する方も多いと思いますが、いまやフリーランス人口は約1000万人で労働人口の約16%を占めるほどになりました。

    そんな中、ランサーズなどと提携しているフリーランス専門の家賃保証会社が台頭し注目を集めています。

    確かにユーチューバーという職種もまだまだ不安定なイメージがありますが人によっては、サラリーマンよりはるかに安定した収入を得られる方もいますので高齢者やフリーランスなど一般的に敬遠される人たちとどう向き合っていくかが管理会社としての力が問われていくと思います。

    3月レインズ成約事例

    今月も成約利回りは4%~11%までエリアと築年数などによって開きがありましたが、都心や築浅はまだまだ低い利回りでの成約が見受けられます。

    2020年3月 レインズ成約事例(抜粋)

    ①鴨居14分 昭和52年 RC造 

      売出価格2.68億⇒成約価格2.02億 指値6600万円

      土地329坪  建物387坪

      成約利回り約11.7%

      ポイント:土地広、大規模修繕実施済み

       留意点:残存4年、10戸/24戸が空室

    ②検見川3分 平成21年 S造 

      売出価格1.255億⇒成約価格1.255億 満額

      土地57坪  建物114坪

      成約利回り約7.75%

      ポイント:残存24年、近隣商業地域、駅3分

    ③立会川駅4分 平成4年 木造 

      売出価格1.498億⇒成約価格1.498億 満額

      土地96坪  建物98坪

      成約利回り約7.5%

      ポイント:立会川駅4分、満室稼働、大規模修繕実施

      留意点:私道接道、耐用年数オーバー

    ④横浜駅 徒歩12分 平成15年 S造

      売出価格1.39億⇒成約価格1.35億

      土地約56坪  建物約72坪

      成約利回り6.8%

      ポイント:横浜駅徒歩圏内、満室稼働

      留意点:太陽光パネル有、レオパレス施工

    ⑤蘇我3分 平成29年 重量鉄骨造

      売出価格1.58億⇒成約価格1.58億 満額

      土地約62坪  建物約100坪

      成約利回り6.3%

      ポイント:蘇我駅3分、築2年、満室稼働

      留意点:全空

    ⑥幡ヶ谷3分 平成22年 S造

      売出価格1.55億⇒成約価格1.455億

      土地25坪  建物面積58坪

      成約利回り5.74%

      ポイント:幡ヶ谷3分、代々木上原12分、築8年

      留意点:土地狭、1階部分を用途変更

    ⑦亀有6分 平成30年 S造

      売出価格1.6億⇒成約価格1.55億

      土地22坪  建物面積60坪

      成約利回り5.4%

      ポイント:築2年、満室稼働

      留意点:狭小

    ⑧落合1分 昭和59年 RC造

      売出価格1.45億⇒成約価格1.35億

      土地約90坪  建物約60坪

      成約利回り5.34%

      ポイント:3駅3路線利用可、積水施工

      留意点:接道、字形△、残存11年

    ⑨中野9分 令和元年 RC造

      売出価格3.29億⇒成約価格3.29億 満額

      土地33坪  建物面積105坪

      成約利回り4.3%

      ポイント:ハイグレード仕様、全室角部屋

      留意点:利回り4%台

    レインズ成約事例より集計
    • 2月成約数:26件
    • 3月成約数:33件

    2月の26件に比べて7件増加しており、昨年の3月は32件でしたので昨対比でも増加する見込みです。

    3月の成約数という部分において、まだコロナの影響による取引減などは見受けられません。

    レインズ在庫は1118件(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)、先月の1117件から横ばいです。


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