在宅勤務と不動産業界
緊急事態宣言が延長される方針となりましたが、不動産業界においても大きな変化がありましたのでいくつか共有させて頂きます。
当社をはじめ他社も在宅ワークが進んでいるようで、ズームなどのWeb会議ツールの活用も増えていると思われます。金融機関も当番制にして在宅と出勤とに分けて感染リスクを減らしていると聞いております。
この事態をきっかけとして不動産の手続き、流通にも変革が起きると思います。もちろん、効率化が進んだことによるプラスの面もありますが、一方で融資手続きで顧客との面談が進まず、審査が長期化したり内見が減少して、賃貸・売買ともに動きが鈍くなりました。
今回のコロナショックでは物理的な制限がポイントである為、VRやセルフ内見など非対面での進め方と対策について、明確な基準が作られていくことでしょう。
スルガなどの積極融資姿勢は変わらず
融資についても、このような状況なので緊急ではない賃貸経営の融資は優先順位は下がってしまい、契約していた案件がキャンセルになったという話も聞くようになりましたが、スルガ銀行などは融資担当社員を増員しており融資方針は変わらず、引き続き積極姿勢は感じられました。
融資相談件数は横ばいとのことです。他の地銀も含めて営業サイドと本部審査部とで温度差はあると考えますので、今後の動向は随時ヒアリングしていきたいと思います。
金融資産にお金が流れる可能性大
ただ、これだけ市場にお金が流れてきますとその金はどこに流れるのかが次の焦点になると思います。
米国でも預金額が急増しておりますし、日本でも10万円給付によって家計預金は増えますが、まるで先手を打つようにして、日本の大手銀行は定期預金金利を5分の1に減らしました。(0.01%⇒0.002%)
銀行が預金集めをしたくないのであれば、金融資産などに流れる可能性は高いと思います。
市場では代表的な安全資産の金価格はすでに上昇していますが、不動産では物流施設への投資意欲が依然と強く、
共同住宅についても賃料の安定性から売主は強気で現時点では売り急ぎ案件は少ない印象です。

住宅の賃料下落はさほど無い
東急リバブルのレポートでもオフィス物件は賃料下落と空室増加により、3割下落する可能性があると予想されていましたが、住宅に関しては賃料の下落余地が限られ相対的に底堅いと思います。
むしろ在宅ワークの増加で広めの間取りの物件価値が高まるかもしれません
当社は住宅が主な事業の為、家賃について減額交渉や減免などの相談は多くはありませんが、それでも少しずつ話が出てきましたので保証会社への滞納状況は注視していきます。
全体的には様子見ムードは続くかと思いますが株価も2万円を超えてきて、自社物件の反響も戻りつつありますので、今が買い場だと考える投資家も一定数いらっしゃるように感じます。
4月レインズ成約事例
さすがに4月はコロナの影響を大きく受けて取引数が急減しました。
①古淵駅 徒歩17分 平成12年 RC造
売出価格1.51億⇒成約価格1.48億
土地約146坪 建物約191坪
成約利回り約8%
ポイント:高積算、角地、満室、管理状態〇
留意点:町田駅からはバス便
※法人が現金購入で成約
②小手指8分 平成19年 S造
売出価格1.2億⇒成約価格1.13億
土地61坪 建物105坪
成約利回り約8.2%
ポイント:築浅、接道〇
留意点:積算割合低め
③本八幡5分 平成20年 木造
売出価格1.198億⇒成約価格1.1億
土地80坪 建物74坪
成約利回り約8%
ポイント:本八幡駅5分、バストイレ別
留意点:残存10年、私道接道
④調布駅9分 昭和63年 RC造
売出価格1.2億⇒成約価格1.1億
土地52坪 建物80坪
成約利回り約7.9%
ポイント:、満室稼働、大規模修繕実施
留意点:残存15年、単身中心

- 3月成約数:37件
- 4月成約数:4件(約90%減)
3月の37件に比べて約90%減となり大幅に減少しております。成約事例も都心ではなく、郊外エリアというのが特徴です。
レインズ在庫は1114件(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)、先月の1118件から横ばいです。

