2020年5月/現場で感じる収益不動産市況

    本記事は公開1~2ヶ月前に配信した不動産投資メルマガの抜粋です。

    目次

    融資スタンスの違いが顕著に

    5月25日に緊急事態宣言が解除され、人の流れも少しずつ回復してきました。金融機関の勤務体制はボトルネックでしたが、通常モードに戻りつつあります。

    そのため、コロナ対応で案件が進まなかったのか、賃貸経営への融資に慎重なのか、徐々に方針が鮮明になっていくと思いますので、今後も各金融機関の動向を探っていきます。

    ここだけの話…

    直近のお話ではA銀行はアパートローンを攻める方針だと聞いており、その他、B銀行、C銀行、D銀行は積極姿勢を感じます。

    また、E銀行は消極的だという噂がありましたが、昨日、担当案件で融資内諾があり、自己資金も5%以下の為、私としては攻めている印象を持っています。

    一方、F銀行は融資問題のお話もあった為か、評価も厳しめで以前のような伸びしろがないと感じます。

    信金は個別性が強いですが、何件か融資実行も聞いております。

    ※メルマガ版では各銀行の実名を出しています

    【参考】日本銀行が各金融機関へ通達しているアパートローンの着眼点

    日銀金融システムレポート別冊 地域金融機関の貸家業向け貸出の与信管理の課題

    取引数は激減、しかし反響増

    成約事例は後述しますが、取引数は大幅に減少しています。売主目線と買主目線での乖離があり、綱引き状況が続いています。

    しかし反響は多いです。

    大手サイト「楽待」によりますと、5月の反響数は昨年同月比30%以上で、2007年の集計依頼、最多反響数のようです。テレワークで物件を探す人が増えたのと、今が買い時だと考える方が増えたのと相乗効果ではと推測します。

    上記は特に自社物件の販売においても感じますが、「積算評価」という共通の物差しで強みがある物件の為、反響や買付が集まっており売主優位の状況です。

    他方、下記主な動機を挙げてみましたが、買手も売手も保守派が多いので取引数自体は減っているとも感じます。

    買主側の動機・方針

    保守派

    • 価格の下落を期待
    • 手元キャッシュ維持

    推進派

    • 収入(信用力)が下がる前に買いたい
    • 本業が不安で収益源を確保したい
    売主側の動機・方針

    保守派

    • 今は売り時ではない(価格は下げてまで売らない)
    • キャッシュフローが安定している

    推進派

    • 2番底に備えて早めに売りたい
    • 返済期限がある(短期融資の不動産会社など)

    ある信金の担当者いわく・・・

    リーマンショック時との違いは金融機関の体力で、低金利、金融緩和の後押しがある限りは下がりにくい状況ですが、ある信金の融資担当者(地元密着で不動産市況に詳しい)によりますと、通常状態に戻った時にきちんと返済できる取引先は半数程度と厳しく、融資が先送りになる方も多いそうです。

    今買おうとすると「なぜ今なのか?」問われる為、今後半年程度は少し慎重に判断するように通達があるとのことでした。

    JLL投資家調査「新型コロナウイルスの不動産投資市場への影響について

    賃貸の動向

    賃貸の動きにつきましては、4月は退去、申込ともに少なく動きが無かったのですが、5月は退去件数の方が上回りました。5月後半の申込は復調の兆しはあるものの昨対比で約50%程度なので、元の状態に戻る為には少し時間がかかりそうです。

    また以前、OYOをご紹介させて頂きましたが、解約通知が数件続いてしまいました。インバウンドの逆風に耐え切れず、一度撤退する方向になる可能性が高いです。

    5月レインズ成約事例

    続いて5月成約事例についてご紹介させて頂きます。コロナやテレワークの影響で成約件数は少ないとは予想していましたが、それを上回り、5月は下記1件のみでした。

    元々5月はGWもあり成約が多い月ではありませんが、パンデミックの事情を織り込んでも極端に少ない結果になっております。

    2020年5月 レインズ成約事例(抜粋)

    ①市川駅 徒歩8分 平成25年 S造

      売出価格1.948億⇒成約価格1.948億満額

      土地約50坪  建物約118坪

      成約利回り約5.0%

      ポイント:築浅(7年)、デザイナーズ

      留意点:積算比率約50%

    「満額かつ5.0%」という利回りで成約していることから、相続対策による売買ではないかと推測します。

    レインズ成約事例より集計

    また先月末ではありますが、4月30日で東京都の成約が3件登録がありました。前回のメルマガではご紹介できなかったため、ここで共有させて頂きます。

    2020年4月30日 レインズ成約事例(抜粋)

    ①大井町駅 徒歩10分 平成21年 木造

      売出価格1.52億⇒成約価格1.44億

      土地約56坪  建物約58坪

      成約利回り約7.5%

      ポイント:品川区、大井町10分

      留意点:接道△

    ②大森駅 徒歩8分 平成31年 木造

      売出価格1.426億⇒成約価格1.426億満額 

      土地約55坪  建物約64坪

      成約利回り約7.0%

      ポイント:新築木造、大森8分

       留意点:接道×(長屋)

    ③南千住駅 徒歩8分 令和2年 RC造

      売出価格1.4億⇒成約価格1.4億満額 

      土地約20坪  建物約53坪

      成約利回り約5%

      ポイント:新築RC、近商、〇

      留意点:土地20坪、狭小

    • 4月成約数:10件
    • 5月成約数:1件

    成約数は4月の10件に比べて約90%減となり、大幅に減少しております。

    ただ、成約価格は満額が多く売主が価格を下げてまで売らない姿勢が表れています。

    レインズ在庫は1127件、先月の1114件から微増です。(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)


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