名古屋市は全国で初めての条例案を市議会に提出する方針です。
それは、発売前のマンションの修繕積立金について国のガイドラインよりも少ない場合、改善指導ができるという条例案です。
新築マンションの販売の課題として、販売しやすいように当初の修繕積立金を低くするというものがありますが、修繕費用の値上がりによって、将来的な積立金が足りないという場合も想定されます。
既存のマンションについては、国が2020年にマンション管理適正化法などを改めて、自治体が修繕計画や管理組合の運営を評価できる規定が盛り込まれましたが、今回の条例案では新築マンションの規制ということで、他の行政での対応が注目されます。
ちなみに、国のガイドラインによると、毎月200円/㎡前後の積立金が推奨されていますが、個別性が強く、賃貸マンションにおいては浸透していないという課題もあります。

仮に25㎡の単身マンションをモデルケースとした場合、
200円×25㎡×12カ月=6万円/年、30年後の積立金は6万円×30年=180万円となります。
1棟マンションで同じ間取りが20戸あるとした場合、180万円×20戸=3600万円が目安です。
家賃6万円の物件を想定すると、年収約1400万円なので、立地にもよりますが、2億円前後の築30年マンションは3600万円程度の共用部の修繕履歴が望ましいと言えます。
これは分譲マンションの事例ですし、賃貸マンションでここまで修繕する人は稀かと思いますが、将来的な修繕計画の参考にはなるかと思います。
修繕積立金のガイドライン
計画修繕ガイドブック