1月20日、FRBはデジタル通貨(CBDC)に関する初の報告書を公表しました。
中国は2022年中にもデジタル人民元を正式発行する方針であり、民間のデジタル通貨も台頭する中、慎重に進める姿勢は維持しています。
内容としては、CBDCの利点やリスクなどに関する20以上の質問を用意し、5月20日までの4か月間、一般から広く意見を募るというものです。
また発行の前提として、「家計や企業などの経済主体にとってあらゆるコストやリスクを上回る利益をもたらす」ことを挙げており、現在の決済手段に置き換わるものではなく、補完するものと指摘しました。
上記の発表に合わせるかのように、日銀の黒田総裁は1月28日、「CBDCを発行できるかについて2026年までに判断する」と述べました。
これまでの慎重姿勢を考慮すると、ここ数年の動きは発行を前提に進めているようにも感じますが、課題も多く、中国の先行事例は参考になると思います。
異次元の金融緩和によって、もはや中央銀行がインフレをコントロールできるかは疑問ですし、世界中に溢れたマネーを回収するための好機ともなるかもしれません。
現在は米国のマネタリーベースに対して金の価格が安過ぎるため、金を中心とした実物資産の相対的価格が上がるのか、逆にさらに下がるのか、ゲームチェンジが起きやすい決断になると感じています。
