2020年8月/現場で感じる収益不動産市況

    本記事は公開1~2ヶ月前に配信した不動産投資メルマガの抜粋です。

    目次

    活況だった売買は小休止

    8月は夏季休暇もあり、売り買いともに少し落ち着いた感じの1カ月だと感じました。レインズの成約件数からも取引数の落ち込み(先月比56%)が見られます。

    要因としてはいくつかあるかと思いますが、例えば

    ①早期売却をしたい売主が少ない(売却期間の長期化)

    ②コロナ融資で金融機関の目標融資額に目途がついた    

    ③会社経営者のような投資家が副業より本業の立て直しを優先している

    ④不動産会社の購入需要が旺盛で未公開案件が増えている

    など上げられます。

    ①早期売却をしたい売主が少ない(売却期間の長期化)

    当社プラン・ドゥも日々不動産会社やレインズから情報収集していますが、半年~1年以内に売却したい方が少ないと実感しています。またすでに1年以上販売している物件も増えている印象です。

    長期融資の関係もありますが、売り時が来るまでじっくりと販売していきたい方の物件が残っていると思われます。

    あとは、取得後あまり期間が経過していない(残債が減っていない)案件も多く、時価と簿価(残債)との乖離が少ない案件も多い印象です。

    ②コロナ融資で金融機関の目標融資額に目途がついた    

    ②については、コロナ融資によって融資額を増やしたことで目標融資額に到達した、もしくは見込みが立った金融機関も多いのだと思われます。

    当社がお付き合いしているX銀行でも現場では融資したい意向があれど、コロナ関連で予算達成できたのでしばらくは不動産融資が難しいとのお話でした。

    Y銀行本部のお話でも8月からは融資条件が厳しくなるとのお話がありましたので、金融機関によっては一服感があるという事情が窺えます。

    一方、Z銀行などはアパートローンが好調とのことで、当社でお付き合いしている1部門だけでも9月は20件程度の融資見込があるとのことでした。

    2020年8月4日 日経新聞

    ③会社経営者のような投資家が副業より本業の立て直しを優先している

    サラリーマン投資家ブームは陰りを見せ、現在の不動産投資の主なプレーヤーは新富裕層(会社オーナー、外資系エリート、医者・税理士等)です。

    そのため今はコロナの影響を受けた本業に集中していて、不動産経営は後回し、という状況の方も多いです。

    ④不動産会社の購入需要が旺盛で未公開案件が増えている

    肌感覚ではありますが、当社に対する買取依頼は一時期より増えているように感じます。

    もちろん、営業努力の成果ではあるのですが、仲介会社も確実に利益を得るために、融資特約が付かず、判断がぶれない不動産会社への買取打診に注力している可能性はあります。

    不動産会社が購入する物件数は定量化も難しい為、あくまで現場の肌感覚でお伝えさせて頂きました。

    貸出金利は今

    ここで金融機関の貸出金利をご紹介し、長期融資金利に関して主な特徴を上げさせて頂きます。

    ・都市銀行は新規貸出金利が上昇傾向(0.54%⇒0.73%)

    ・地銀の貸出金利は新規、ストックともに横ばいもしくは微減

     ⇒上記の結果、都市銀行と地銀の貸出金利差は縮小

    ・信金は新規貸出金利を大幅に下げている

      新規1.5%⇒1.0%

      ストック1.4%⇒1.3%

    もちろん不動産融資だけではないので参考程度ですが、信金が新規貸出金利を下げていることから積極姿勢が読み取れます。

    出典:日本銀行金融機構局 貸出約定平均金利の推移(2020年7月)より抜粋

    大手の収益不動産事業の動向

    A社の収益不動産事業は昨対比で取引件数の減少はあるものの、販売単価が上がっているので利益額は維持しておりました。

    一方、対照的なのはB社で売上高の減少に対して営業利益の減少が大きく、従業員の激しい入れ替わりも相まってやや苦戦しているように思います。

    また、業態別ではコロナの影響もあり戸建て事業が堅調のようです。

    三密を避けるという意味ではマンションより戸建てに優位性がありますし、専有面積の広さや単価なども考慮しますと郊外で戸建て需要が市場を牽引する可能性はあると考えます。

    8月のレインズ成約事例

    続いて8月成約事例についてご紹介します。

    1都3県の成約件数は昨対比で約50%減ですが、成約利回り自体に大きな変化は感じられませんでした。

    • 7月成約数:16件
    • 8月成約数:9件(先月比56.25%)
    レインズ成約事例より集計

    取引件数は少ないのですが4件中2件は満額であるのと、指値が入った物件も大幅指値ではないという特徴があります。

    2020年8月 レインズ成約事例(抜粋)

    ①十日市場11分 昭和62年 RC造

      売出価格1.90億⇒成約価格1.84億

      土地.150.34坪  建物273.07坪

      成約利回り約8.78%

      ポイント:大規模修繕実施(屋上、水道直結工事など)、高利回り

      留意点:築33年(残存14年)

     

    ②代田橋駅 徒歩6分 昭和54年 RC造

      売出価格1.81億⇒成約価格1.77億 

      土地約88.99坪  建物約113.90坪

      成約利回り約6.35%

      ポイント:代田橋6分、角地、満室稼働

      留意点:旧耐震、利回り6%前半

     

    ③浅草駅 徒歩6分 令和2年 RC造

      売出価格2.28億⇒成約価格2.28億 ※満額 

      土地約32.16坪  建物約71.87坪

      成約利回り約5.66%

      ポイント:全室20㎡超の間取り、浅草駅6分

      留意点:利回り6%未満

     

    ④新井薬師前駅・落合南長崎 徒歩11分 令和元年 RC造

      売出価格2.62億⇒成約価格2.62億 ※満額

      土地約60.91坪  建物約102.39坪

      成約利回り約5.00%

      ポイント:新築RC物件

      留意点:利回り5%

    レインズ在庫は1156件(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)、先月の1150件から横ばいです。


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