2020年10月/現場で感じる収益不動産市況

    本記事は公開1~2ヶ月前に配信した不動産投資メルマガの抜粋です。

    目次

    動き出した富裕層&地主層

    当社は10月から下期がスタートしましたが、相変わらず販売が好調で在庫不足という状況が続いております。10月末の段階では販売中の物件が無くなってしまったため、仕入れに注力していく方針です。

    四半期に一度の「楽待」調査では、価格上昇・利回り低下傾向が見られました。

    https://www.rakumachi.jp/news/column/267672

    現場の感覚としましても、問い合わせをした物件がすでに買付が入っていたり、販売が長期化していた売却物件にも商談が入ったりと、コロナで様子見をしていた富裕層が動き出したという印象です。

    同業他社のお話を聴きましても、少し慎重派だった地主層が動き始めたという意見をよく聞きますし、実際に買付が入るのは融資特約無や現金での購入が多く、不動産業界全体として好調であると感じます。

    個人投資家への融資は厳しめ

    一方で個人投資家へのアパートローンに対して、審査手続きを厳しくしているという金融機関からの情報もございます

    • X銀行は引き続き不動産融資へは積極的ですが、一部エビデンスの改ざんなども発覚し、リスク管理の観点から一見さんはお断りになりました。ちなみに不動産会社の担当者も登録制になったとのことです(実際に私も免許証を提出しました)。
    • 同じく中古の不動産融資に積極的だったY銀行も、融資のハードルがやや高まったとのお話がありました。投資という名目での稟議が原則受付できない方針になったようです。
    • 先日、Y銀行とZ銀行が業務提携を発表しましたが、融資残高確保の動きがひと段落した可能性もあります。ここ最近Z銀行の名前を耳にすることが増えましたが、業務提携のニュースを見て背景に納得しました。

    総合的に、新規客への融資は狭くなっています。逆に捉えればすでにお取引がある顧客に対しては優遇していく可能性が高いと言えます。

    もちろん、金融機関、支店、担当者とそれぞれ不動産への融資スタンスが異なりますので、融資は人も含めたご縁とタイミングが重要であると感じています。

    【融資動向】不動産への融資割合が上昇

    続いて10月22日に発表されました日銀の金融システムレポートから、不動産に関する記載を一部ご紹介させて頂きます。

    まずは直近の2020年4月~6月において融資残高が増加しており、全産業向けの貸出に対する不動産業への融資割合も上昇しております。(下図)

    図1:金融機関の不動産業向け貸出

    一方で内訳に注目すると、大手行ではSPCや大企業向けの融資が増加しており、地銀に関しては個人の資産管理会社を含む中小企業等に対する貸出が増加しております。(下図)

    図2:不動産業向け貸出の内訳  

    レジは絶好調

    次に不動産の取引額の推移のグラフをご紹介いたします。

      図3:物件タイプ別にみた不動産取引金額    

    出典:金融システムレポート  2020年10月 日本銀行

    上記の図を見ますと、2020年の上期において取引総額全体は大きな変化がないものの、レジデンスの取引割合が大幅に上昇していることがわかります。

    ホテルと商業物件の減少分相当額がレジデンスに移行し、賃料の安定性が評価された結果だと考えられます。

    パンデミックによる経済の影響で、個々人の家賃の支払い能力が下がる可能性もございますが、購入か賃貸かの選択肢はあるものの「住む」ということ自体の需要は変わりませんし、過去の非常事態でも賃料の安定性が証明されています。

    賃料の下落幅が大きいホテルや店舗などと比較しても、引き続きレジデンスへの需要は高まっていくと推測します。

    デフォルト率は1%以下で安定継続

    不動産業のデフォルト率を見ても、リーマンショックの際にやや上昇しましたが、直近10年程度は1%以下で低位安定しています。賃貸業の安定性は際立っております。(下図)

      図5:不動産業のデフォルト率

    出典:金融システムレポート  2020年10月 日本銀行

    海外勢による東京への不動産投資が活況

    不動産サービス大手JILLによりますと、海外勢がけん引した結果、2020年1月~6月の不動産取引額で東京はトップとのことです。

    香港の大手ファンドPAGが今後の4年程度で最大8400億円の投資方針を表明し、カナダの大手ファンドBGOも今後2、3年程度で最大1兆円を投じるというニュースもありましたので、今後も海外勢を主体とした東京への投資が活発になると予想されます。

    出典:2020年10月12日 日経新聞

    10月のレインズ成約事例

    続いて10月成約事例についてご紹介させて頂きます。

    1都3県の成約件数としましては昨年対比で約66%と9月と比べやや落ち込みがありました。

    • 9月成約数:23件
    • 10月成約数:12件
    レインズ成約事例より集計

    今月の特徴としましては、立地や築年数、構造などそれぞれの魅力ごとに成約事例があった印象です。郊外バス便と都心で利回りの差は倍以上ありますが、それぞれにメリットが明確で買い手の事情が伺えます。

    2020年10月 レインズ成約事例(抜粋)

    ①大袋駅 徒歩14分 平成8年 RC造

      売出価格3.48億⇒成約価格3.15億

      土地約572坪  建物約716坪

      成約利回り約10.28%

      ポイント:利回り10%超、残存23年RC 

      留意点:大袋駅14分、エレベーター有

     

    ②熊谷駅 バス便 平成9年 RC造

      売出価格1.9億⇒成約価格1.7億

      土地約491坪  建物約428坪

      成約利回り約9.47%

      ポイント:現況満室、残存23年RC

      留意点:バス便

     

    ③下丸子駅 徒歩5分 平成17年 S造

      売出価格1.75億⇒成約価格1.72億

      土地約58坪  建物約95坪

      成約利回り約6.65%

      ポイント:駅徒歩5分、積水ハウス施工

      留意点:一括借上契約、防犯カメラ・給湯器リース

     

    ④代田橋駅 徒歩5分 昭和54年 RC・木造

      売出価格1.55億⇒成約価格1.40億

      土地約57坪  建物約88坪

      成約利回り約7.26%

      ポイント:3駅3路線使用可、利回り7%超

      留意点:残存6年RC、一部木造

     

     

    ⑤亀戸駅 徒歩4分 平成13年 S造

      売出価格1.45億⇒成約価格1.45億 ※満額

      土地約59坪  建物約82坪

      成約利回り6.75%

      ポイント:亀戸駅徒歩4分、

      留意点:残存15年S造、私道接道

     

    ⑥外苑前駅 3分 令和2年 RC造

      売出価格3.58億⇒成約価格3.22億

      土地約22坪  建物約53坪

      成約利回り約4.82%

      ポイント:新築RC、外苑前駅徒歩3分

      留意点:利回り4%台、オール店舗

     

    ⑦駒澤大学駅 徒歩7分 平成29年 RC造

      売出価格1.878億⇒成約価格1.802億

      土地約21坪  建物約57坪

      成約利回り約4.48%

      ポイント:3駅2路線使用可、築3年RC

      留意点:利回り4%台、土地約21坪

    レインズ在庫は1103件(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)先月の1121件から微減です。(2か月連続で微減)


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