2022年4月/現場で感じる収益不動産市況

失敗しない収益マンション

本記事は公開1~2ヶ月前に配信した不動産投資メルマガの抜粋です。

3月の決算に向けた売買需要が一巡し、例年の4月は様子見モードになることが多いのですが、今期は金融、不動産業界において話題となるニュースが重なりました。

特に相続税の最高裁判決に関しましては、不動産業界・金融機関においても大きな波紋を呼んでいますので、本メルマガの後半で簡単に共有させて頂きます。

目次

Y銀行とS銀行の動き

Y銀行

当社の4月の実績としては、神奈川エリアでの仕入決済及び仲介決済がございました。

Y銀行の融資姿勢が積極的であり、川崎市・横浜市などは人口も多く、賃貸需要も底堅いことから、今期も取り組み案件が増えていくものと思います。

S銀行

また川崎市・横浜市において、S銀行の融資基準が緩和されました。具体的には、これまでは同エリアの最優遇金利が1.9%でしたが、4月以降の融資について、1.6%での資金調達が可能です。

実質的には都内と同じ金利水準を適用しており、今回の金利優遇の0.3%分は非常に大きいと思います。金利が上昇傾向にある中での金利改定によって、特に注力して融資したいエリアが明確になったと言えます。

全体傾向

参考までに、直近で株式会社タスが実施した融資態度に関するアンケートでは、「賃貸用不動産に対する融資態度」は全体としては「やや軟化」しているという結果になっています。

出典:2022年3月25日 日経新聞出典:TAS賃貸住宅市場レポート 有効回答103社、期間2022年2月4日~3月9日

マクロ経済と不動産

続いてマクロに経済の動向について、日本銀行から4月21日に発表された金融システムレポートから抜粋して、業界動向を共有させて頂きます。

こちらのレポートは半年に1回公表されますが、今回は不動産に関係する資料も多く見受けられました。

下記ポイント、切り口での内容をご紹介させて頂きます。

  • 不動産業向け貸出内訳
  • 不動産業のデフォルト率と事業構成比
  • 人口変化と空室率の関係
  • 競争環境下での賃貸業ROA
  • 所得変化率1%ポイント下落時の地価への影響
  • 人口変化率1%ポイント下落時の地価への影響

不動産業向け貸出内訳

出典:日銀金融システムレポート

2016年以降、不動産業に対する貸出は増加しており、コロナ融資が落ち着いた後も継続して貸出が伸びていることがわかります。

一方でGDPに対する不動産融資の割合が高まり、一部で過熱感も出始めています。

不動産業のデフォルト率と事業構成比

出典:日銀金融システムレポート

全体的にデフォルト率は低下傾向ですが、不動産賃貸業に関しましては、さらに低いデフォルト率で推移しています。そのため、売り急ぎや早期売却案件自体が減っており、供給≦需要の構図が生まれている一因でもあります。

出典:日銀金融システムレポート

2007年⇒2020年の間で、不動産取引業への融資が減少し、代わりに不動産賃貸業への融資が伸びています。

このため金融機関の貸し倒れリスクも低下していると思われます。

本レポートでは、リーマンショック時と比べて、リスクの低い賃貸業への融資割合が大きいため、金融機関の財務の安全性が高いとの評価をしています。

人口変化と空室率の関係

出典:日銀金融システムレポート

人口変化率と空室率には一定の相関関係があります。

ただ、人口の変化に応じて供給も変化しますので、上記グラフからは完全な反比例の関係にはなっていないように見えます。

不動産に関して言えば、ミクロの視点での個別判断が大きいかと思います。

競争環境下での賃貸業ROA

出典:日銀金融システムレポート

賃貸業ROAは低下傾向ですが、金利が低下する中で賃貸業に参入する会社も増え、結果的に競合が増えたことによって価格も上昇していると読み取れます。

所得変化率1%ポイント下落時の地価への影響

出典:日銀金融システムレポート

人口変化率1%ポイント下落時の地価への影響

出典:日銀金融システムレポート

上記はそれぞれ所得の変化率と人口変化率に対する地価の影響のグラフですが、絶対値で見た場合、所得の変化率に対する地価の反応が大きいと読み取れます。

また商業地に比べて住宅地は安定的なので、住宅地が景気や環境変化に強い理由の一つです。

4月のレインズ成約事例

続いて3月のレインズ成約事例についてご紹介させて頂きます。

1都3県の成約件数は昨年対比で約73%、先月の45件からの反動もあり、大きく減少しています。

  • 2022年3月成約数:45件
  • 2022年4月成約数:27件(速報値)

3末案件が終わり、4月は様子見ムードの中、株価が軟調傾向であったことも一因ではないかと思います。

レインズ在庫は1128件(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)先月の1124件から在庫は横ばいです。

レインズより当社集計

幅広い利回り分布

利回りも5%~10%まで幅広く分布していますが、優位性・将来性・流動性と留意点・リスク等、収還元評価額や積算価格を算定すると、ある程度合理的な相場が形成されていると感じます。

2022年4月 レインズ成約事例(抜粋)

「入間市」駅 徒歩12分 H3年 S造

売出価格1.625億 ⇒ 成約価格1.53億

土地 405坪 建物 336坪

成約利回り⇒ 10.5%

ポイント:土地1000㎡以上、タイル貼りマンション

留意点:字形△、接道△、55㎡以上で賃料6万円台

 

「東伏見」駅 徒歩12分 H1年 RC造

売出価格2.05億 ⇒ 成約価格2.05億 ※満額

土地 82坪 建物 156坪

成約利回り ⇒ 7.8%

ポイント:東南角地、検済あり、タイル貼りRCマンション

留意点:20㎡以下単身間取り、賃料5万円以下

「西葛西」駅 徒歩13分 H3年 S造

売出価格1.979億 ⇒ 成約価格1.95億

土地 77坪 建物 165坪

成約利回り⇒ 7.1%

ポイント:2018年修繕工事実施済み、タイル貼りマンション

留意点:一部サブリース契約中

「蓮根」駅 徒歩8分 H1年 S造

売出価格1.27億 ⇒ 成約価格1.2億

土地 59坪 建物 95坪

成約利回り⇒ 6.8%

ポイント:徒歩10分圏内のファミリー間取り

留意点:私道負担あり、残存1年

「荏原町」駅 徒歩4分 S59年 RC造

売出価格2.23億 ⇒ 成約価格2.10億

土地 64坪 建物 122坪

成約利回り⇒ 6.8%

ポイント:品川区、駅徒歩4分

留意点:接道△、残存9年RC造

⑥「中井」駅 徒歩3分 H2年 S造

売出価格1.6億 ⇒ 成約価格1.57億

土地 37坪 建物 76坪

成約利回り⇒ 6.7%

ポイント:駅徒歩3分、外壁・防水工事実施済

留意点:20㎡以下の狭小3点ユニット、残存2年

「松原」駅 徒歩3分 H7年 RC造

売出価格1.70億 ⇒ 成約価格1.60億

土地 63坪 建物 100坪

成約利回り⇒ 6.2%

ポイント:竹中工務店施工、駅徒歩3分、H18年外壁修繕工事実施

留意点:全戸空室

「与野」駅 徒歩11分 S63年 RC造

売出価格1.59億 ⇒ 成約価格1.46億

土地 151坪 建物 147坪

成約利回り⇒ 6.1%

ポイント:二面接道、ファミリータイプ

留意点:私道負担あり、地形△

「武蔵新城」駅 徒歩13分 H22年 RC造

売出価格1.40億 ⇒ 成約価格1.40億 ※満額

土地 57坪 建物 87坪

成約利回り⇒ 5.9%

ポイント:残存耐用年数35年、タイル貼りRC

留意点:私道接道、ハザードリスクあり

「糀谷」駅 徒歩8分 H18年 RC造

売出価格1.68億 ⇒ 成約価格1.55億

土地 48坪 建物 82坪

成約利回り⇒ 5.6%

ポイント:残存耐用年数31年、1K間取りで30㎡以上、大東建託施工

留意点:ハザードリスクあり

11「南浦和」駅 徒歩5分 H18年 S造

売出価格3.24 億 ⇒ 成約価格3.1億

土地 108坪 建物 174坪

成約利回り⇒ 4.2%

ポイント:南浦和駅5分、積水ハウス施工、南東角地

留意点:低層ながらEVあり⇒経費△、利回り4%台

  

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