2020年12月/現場で感じる収益不動産市況【2020年を振り返って】

    本記事は公開1~2ヶ月前に配信した不動産投資メルマガの抜粋です。

    2020年を振り返ります

    2020年最後のメルマガということもあり、一年を振り返っての不動産市況・融資動向などを中心に賃貸経営に関する情報をお送りさせて頂きます。

    目次

    日経平均は31年ぶりの高水準

    今年はコロナウイルスの影響によって歴史的にも変化の大きな1年となりました。

    春先に一時的に株価は急落したものの、12月30日の大納会では日経平均が2万7,444円と終わってみれば89年末以来の31年ぶりの高水準となっております。ワクチンへの期待が高まっているとは言え、すでに来年の景気回復を織り込んだ株価で推移しています。

    1年間の値幅は1万1,000円以上で30年ぶりの大きさでありましたが、不動産につきましては一時的に買い控えがあったものの、売り急ぐという雰囲気でもなく、結果的には価格が安定した1年であったと感じています。

    改めて日銀主導の官製相場の強さを感じました。

    出典:2020年12月28日 日経新聞

    アメリカはゼロ金利維持

    世界的にも米連邦準備理事会(FRB)が2023年末までゼロ金利を据え置くとの方針を維持しており、引き続き低金利が維持されれば、国債などの債券から株式、不動産などのリスク資産へと資金が移動していく流れは続くと考えられます。

    (米10年債利回りは一貫して低下(価格は上昇)しており、予想物価上昇率を差し引くと実質利回りはマイナスですが、FRBはマイナス金利(さらなる米国債の上昇)には否定的です。

    最近ニュースにもなりましたが、ビットコインが急騰していることからも待機マネーが溢れていることが伺えます。

    出典:2020年12月21日 日経新聞

    社債のデフォルトには注意を

    一方コロナ危機、金融緩和の代償としてのリスク要因についても触れておきたいと思います。

    日本ではまだ一部の業界でしか顕在化していませんが、世界的には社債のデフォルト率が上昇しており、件数も増加している兆候があります。

    出典:2020年12月13日 日経新聞

    コロナは富裕層がさらに富を増やす機会になった

    アパートローンにつきましては、コロナ融資優先の為、手続きに時間がかかったり、厳格化する方針の金融機関が増えた印象ではありますが、その結果、バブルにならずに価格が安定している一因と考えています。

    今回の危機でも過去の多くの危機と同じように富裕層がより資産を増やす機会となり、需要の減退(価格の下落)には至っていません。

    直近で野村総研が発表した世帯数の統計においても、純金融資産を5000万円以上保有する富裕層世帯は約450万世帯へと増加しており、株式、不動産、金、仮想通貨などに対する資金需要は衰えないと思われます。

    今年は一段と加速していますが、長期トレンドとして、政府が負債を引き受けた分が家計の資産に移転している構図は変わっていません。

    出典:野村総研
    出典:2020年12月24日 日経新聞

    また、融資厳格化によって現場の融資目標額が下がれば融資担当者も安堵ですが、融資目標額には変化が無かったと聞いております。

    その結果、融資目標を達成するために、資産背景が良好な富裕層に対して、融資単価が高い不動産案件で実績を作ろうとする動きがますます助長されたと実感しています。

    収益不動産マーケットは在庫不足が続く

    国内の不動産市場に目を向けると、価格が安定している反面、不動産会社の仕入れは苦戦し、株価が回復した夏以降は在庫不足が続いております。

    レインズ在庫より当社集計

    1年~3年程度での周期で仕入・販売を行う不動産会社は、裁定取引のチャンスが減少しており、3年~5年の周期で事業を行う不動産会社・ファンドもある程度選別した上で、価格勝負に出ているものの、買い需要をカバーできるほどの売却案件が無いと聞いております。

    新規個人投資家の参入障壁は高い

    長期融資が強みである個人投資家に対しても敷居は高く、特に新規のサラリーマン投資家の参入障壁は高まっています

    また、サラリーマン投資家の融資ハードルが上がったことで、地方の高利回り物件の流動性は低下する可能性があり、単純に利回りが高いという点だけで物件を選ぶのは危険だと言えます。

    投資するための時間的コスト、リターンの絶対額も踏まえた上で、総合的な費用対効果を意識することがポイントです。

    12月のレインズ成約事例

    今月は、大幅な指値が通った成約が複数ありました。満額での成約ではなかった理由としては、実際に想定通りの家賃では入居付けができない、銀行の融資が延びないという事情が推測されます。

    レインズ成約事例(抜粋)

    ①尾久駅 徒歩15分 平成元年 S造

      売出価格1.68億⇒成約価格1.50億  

      土地約53坪  建物約213坪

      成約利回り約10.45%

      ポイント:23区内で利回り10%超

      留意点:事務所・倉庫・EVあり、残存3年S造 

       

    ②新柏駅 徒歩9分 昭和61年 S造

      売出価格0.64億⇒成約価格0.62億  

      土地約491坪  建物約428坪

      成約利回り約10.44%

      ポイント:2駅2路線使用可、高利回り

      留意点:建ぺいオーバー、事務所あり、残存2年S造

      

    ③駒込駅 徒歩5分 平成元年 S造

      売出価格3.20億⇒成約価格2.60億  

      土地約42坪  建物約153坪

      成約利回り約7.15%

      ポイント:山手線沿線、駅徒歩5分

      留意点:残存3年S造、自己使用部分あり

      

    ④京成高砂駅 徒歩16分 昭和54年 S造

      売出価格4.208億⇒成約価格4.208億  ※満額  

      土地約309坪  建物約374坪

      成約利回り約7.00%

      ポイント:3駅3路線使用可、土地広

      留意点:残存5年S造、駅16分

      

    ⑤蒲田駅 徒歩12分 平成9年 RC造

      売出価格2.38億⇒成約価格2.38億 ※満額 

      土地約72坪  建物約176坪

      成約利回り約6.54%

      ポイント:オーナー住戸付きレジ、2駅2路線使用可

      留意点:店舗×2で賃料変動幅あり

     

    ⑥南千住駅 徒歩14分 平成16年 RC造

      売出価格4.226億⇒成約価格3.600億 

      土地約105坪  建物約246坪

      成約利回り6.04%

      ポイント:残存31年RC、大規模修繕実施済み

     

    ⑦千歳烏山駅 3分 平成元年 RC造

      売出価格4.80億⇒成約価格4.69億

      土地約109坪  建物約327

      成約利回り約5.11%

      ポイント:駅徒歩3分、300㎡超

      留意点:EV,・オートロック有、利回り5%台


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