【6割以上が家賃減額された!?】サブリース契約の実態

郊外での賃貸管理

今回はオーナーや管理会社目線での一括借り上げ・サブリース契約の実態について、

①賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査

②民間賃貸住宅の供給実態調査

から確認していきます。

目次

自主管理やサブリースの割合を調べてみる

まず賃貸物件の管理の実情について見ていきます。

①賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査

令和元年7月には賃貸管理業者11,538社(有効回答2,947社)、収益物件の家主414名を対象に、  国土交通省がアンケート調査を実施しました。

※ここでいう「家主」とは特に一棟物件か区分かという区別はなく、そのため収益物件を一戸しか持っていないという方も3割ほどいらっしゃいました。

それによると、一棟収益物件の管理は

  • 自主管理 19%
  • 一般管理・サブリース 81%

となっております。

一般管理とサブリースそれぞれの割合を出した資料は見当たりませんでしたが、「所有物件のうちサブリース物件があるか」という質問に対しては、綺麗に回答が分かれています。

この結果によると「サブリース物件は無い」との回答が37.4%であり、6割以上の方がサブリース物件を保有しているということになります。

この数字は体感として多いように思いますが、本調査が「一棟物件/区分物件」の区別を特に行っていないことが大きな原因の一つではないかと思います。

その証拠に次の調査を見てみましょう。

②民間賃貸住宅の供給実態調査  

楽天インサイト社の調査モニターを用い、三大都市圏で一棟マンション・アパートを経営しているオーナー様を対象に、公益財団法人の日本住宅総合センターが令和元年6月に発表した資料によると、管理形態は以下のようになっております。

  • 自主管理  25.0%
  • 一般管理  54.7%
  • 一括借り上げ(サブリース等) 20.3%

やはり一棟物件に限ってみると、サブリース契約の割合は減ってきます。

ただ建築時期が新しい物件はサブリースによる割合が多く、2011年以降に建てられた物件については実に37.8%の物件が一括借り上げとのことです。

特に顕著なのは、施工業者系列の会社が管理を引きうけるパターンで、2001年築以降のサブリース物件は実に9割近い物件が施工会社系の管理会社です。

言い換えるなら、新築→販売→サブリースまでのパッケージ商品がここ近年で大幅に増加していることになります。

【結論】2つの調査をまとめると・・・

◇自主管理の割合は20~25%前後

 →7~8割の方は管理会社に何かしらの管理委託をしている

◇一棟物件は一括借り上げ(サブリース等)の割合が比較的少ないが、築浅の物件ではその割合が上がってきている

といったことが言えるでしょう。

サブリース契約の内実

さて、管理形態の全体像を簡単に見てきたところで、早速「サブリース契約」の内実についても確認していきます。

家賃保証

①の調査では、家賃保証の金額について下記のような結果となっています。

家賃の保証割合についてはかなりばらつきがありますが、70%以上の保証をされている方が6割を占めています。

ただ個人的に注目すべきだと思っているのは、「わからない」と答えている方が20.1%も存在していることです。

つまり月々の固定収入が入ってくるものの、それが集金額のいくらなのか分からないままにしている方が5人に1人の割合でいらっしゃるのです。

②の調査では特に保証額ごとの割合は記載がありませんでしたが、家賃保証の平均額は「80.43%」とのことでした。

一棟物件のサブリース契約の場合「単純な家賃保証のみ」というよりは管理費などを差し引いた後の金額を送金するケースも多く、2割程度が差し引かれているという見方ができます。

家賃減額の経験アリが6割以上!?

こちらは2つの調査とも似たような結果を示しており、10年を経過した段階で6~7割の方が家賃減額を経験しております。

①の調査では、契約してから2年以下で家賃減額が行われた方も8.9%存在しているとの記載があります。

早期で賃料下落があるならばその段階で更新を拒絶すれば良い、と思いたいものの、サブリース契約の更新には大きな罠がございます。

それが「サブリース契約にも借地借家法が適用される」というものです。問題が起こりやすい箇所を具体的に申し上げると、

「貸主は正当事由なしに借主を退去させることができない」のです。(上記のような家賃減額のケースでも難しい)

つまり入居者保護、借主保護のために適用されるべき借地借家法が転貸目的のサブリース業者保護にも用いられているのです。

もちろんこのことは一概に「悪い」とは言えませんが、トラブルが発生しやすい事項であることには間違いないでしょう。

契約内容は十分説明にされていない?

上記によると、家賃に関する項目は説明をしているという業者が比較的多いですが、それでも割合は6割程度となっております。

また、事業・収支計画や大規模修繕の必要性などについての記載は「説明していない」「無回答」が半数を占めております。

つまり、物件購入時点での「家賃保証」や将来の「家賃変動リスク」といった話は比較的されているものの、家賃以外の要素、修繕などを踏まえた中長期的な目線での事業計画等はまだまだ説明されていない割合が高いのです。

一棟物件は非常に経営・事業的側面が強いものだと感じておりますが、何もせずとも固定収入が入ってくるパッケージ商品という認識で購入した故にトラブルに発展するケースが多いことが、このような調査結果を見るだけでも想像がつきます。

要は、十分な説明が無いままサブリース契約をするケースが多い

ここまで、サブリース契約の実態について見てきました。

もちろん家賃保証のメリット、転貸借契約自体のメリットも多々ありますが、デメリット部分に意識を向けていない、向けさせないような傾向があることは残念ながら否めません。

このような流れを受けて、「サブリース新法」が制定されることとなりました。

前置きが長くなりましたが、次回は具体的な法の内容について確認していきます。

<参考>

https://www.mlit.go.jp/common/001320848.pdf
【①】賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査(管理業者)

https://www.mlit.go.jp/common/001320849.pdf
【①】賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査(家主)

https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001320853.pdf
【①】 賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査(概要)

https://www.hrf.or.jp/webreport/pdf-report/pdf/chintai_gaiyou.pdf
【②】民間賃貸住宅の供給実態調査 結果概要について
― 供給主体やサブリース事業者の関与などを中心に ―  公益財団法人 日本住宅総合センター

https://www.hrf.or.jp/webreport/pdf-report/pdf/chintai_houkoku.pdf
【②】 民間賃貸住宅の供給実態調査 報告書

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