売り手優位の市況は続く
依然として収益不動産、特にレジデンスは品薄状態が続いています。
特に1棟収益マンションは賃料の安定感から不良在庫になるリスクが少ないこともあり、すぐには売却せず、保有期間中の賃料収入を得ながら売却のタイミングを調整している会社が多いと思われます。
高属性への不動産融資が活発
金融機関は引き続きサラリーマン向けの融資は厳しいものの、高属性(新富裕層)への融資には前向きです。某大手地銀は本部の審査部で人事異動があり、融資の蛇口が緩んだとのお話もありました。
またメガ大家として有名な玉川氏も、融資姿勢が緩んだ結果、4棟・14億を購入したと日経新聞の記事で紹介されていました。
金利はあまり変わらず低い水準を維持
米国のインフレ観測や景気の過熱感から金利上昇を織り込む声もありましたが、やや落ち着きを取り戻しているように感じます。
直近の約定金利を見ても、数ポイント金利が上昇していますが、低金利であることには変わりません。

日本’以外’の住宅価格が上昇!?
日本の住宅価格の上昇は出遅れています。そのため外資系の機関投資家が相次いで日本に参入しています。
日本のデフレ体質からの脱却はかなり難しいように思いますが、一方で、賃料や住宅価格は安定しています。これはアパートローンのデフォルト率の低さにも通じるところがあり、欧米に比べてレバレッジを利かせられる所以なのだと思います。

ただし、現在のところ家賃保証会社へのアンケート結果では
15社すべてが「債権回収へのダメージ無し」との回答だったため、
郊外・ファミリー物件の需要は底堅い
一方、賃貸需要に関しては、引き続き郊外のファミリー物件の需要が底堅いと感じています。
当社の管理物件(郊外・ファミリー)についても、退去前に申し込みが重なったり、家賃がアップしたりと、資産価値が高まっているのを肌で感じます。
一般的にファミリー物件は単身物件に比べて坪単価が低いので、利回りが低くなりやすい特徴があります。
しかし平均入居期間、空室損、リフォーム費用、礼金・更新料の有無などを考慮すれば、ファミリー物件は安定した収益を生み続ける物件だと言えます。
4月のレインズ成約事例
1都3県の成約件数は昨年対比で約280%(成約数増加)で、先月と比較しても微増です。
※昨年の4月はコロナの影響で過去最低の成約数でした
- 2021年3月成約数:25件
- 2021年4月成約数:28件
レインズ在庫は1046件(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)、先月の1087件から減少です。

今月の傾向は、平成初期のRC物件が多く、立地・築年数・積算・利回りなどバリュエーションが豊富です。
不動産は一物一価と言われますが、購入者の背景や資金調達条件など様々な事情によって成約に至ったものであると読み取れます。
①津田沼駅 徒歩14分 昭和56年 RC造
売出価格2.17億⇒成約価格2.068億
土地約345坪 建物約292坪
成約利回り約10.00%
ポイント:利回り10%、大規模修繕済み
留意点:旧耐震、漏水履歴あり
②赤土小学校前駅 徒歩4分 平成7年 鉄骨造
売出価格1.55億⇒成約価格1.30億
土地約51坪 建物約119坪
成約利回り約8.34%
ポイント:2駅2路線使用可、角地
留意点:残存8年S造
③市川駅 徒歩16分 平成元年 RC造
売出価格2.58億⇒成約価格2.45億
土地約248坪 建物約257坪
成約利回り約7.61%
ポイント:大規模修繕済み、積算8割
留意点:駅徒歩16分、残存15年RC
④浦安駅 バス11分 平成3年 鉄筋コンクリート造
売出価格1.38億⇒成約価格1.36億
土地約65坪 建物約103坪
成約利回り約7.35%
ポイント:駐車場・バイク置き場付単身レジ
留意点:バス便、3点ユニットの単身間取り
⑤上板橋駅 徒歩4分 平成4年 RC造
売出価格2.55億⇒成約価格2.55億 ※満額
土地約48坪 建物約145坪
成約利回り約6.74%
ポイント:駅徒歩4分、大規模修繕済み
留意点:EV有り、1,2階店舗
⑥菊川駅 徒歩4分 昭和63年 RC造
売出価格3.80億⇒成約価格3.60億
土地約100坪 建物約271坪
成約利回り約6.60%
ポイント:3駅3路線使用可、300㎡超
留意点:川沿い、残存14年RC
⑦本蓮沼駅 徒歩4分 平成元年 RC造
売出価格2.00億⇒成約価格1.98億
土地約106坪 建物約159坪
成約利回り約6.19%
ポイント:駅徒歩4分、土地面積300㎡超
留意点:利回り6%前半、残存15年RC
⑧千駄木駅 徒歩6分 平成14年 木・RC造
売出価格1.758億⇒成約価格1.758億 ※満額
土地約66坪 建物約89坪
成約利回り約5.45%
ポイント:文京区アドレス、駅徒歩6分
留意点:私道接道、傾斜地


