2021年6月/現場で感じる収益不動産市況

    本記事は公開1~2ヶ月前に配信した不動産投資メルマガの抜粋です。

    目次

    四半期追い込み需要で市場は活況

    6月は各社四半期の締めがあるため、不動産会社も金融機関も月末での追い込み需要を感じました。

    • まず、不動産会社に関しては、オープンハウスなどの大手中心に売上目標必達のため、多少の価格交渉を受け入れながら成約を伸ばしたようです。
    • 金融機関については、大手地銀などでは6末限定の優遇金利の適用などもあり、ある程度まとまった規模の融資ができる不動産へ注力されたように感じます。

    当社のお客様でも6末決済条件でかなり好条件での融資実行がございました。

    フルローンこそ難しい市況ではありますが、引き続き新富裕層のお客様に対する融資は積極的ですし、自己資金を抑えたい場合はコベナンツ融資などもお勧めです。

    不動産特定共同事業による購入需要も活発

    相変わらず需要に比べて売却物件が少ない状況です。

    そのなかでも中小規模の物件については、不動産特定共同事業による購入需要も旺盛です。

    出典:国交省

    事業者のお話を聞きますと、この事業自体での利益が目的というよりは、広告宣伝効果を目的としているようです。そのため仕入れに対してかなり積極的な姿勢を感じています。

    また大型案件については、アリアンツやブラックストーンなどのファンドが積極的に日本買いに入っているようで、直近ではゴールドマンサックスも日本への不動産投資を倍増すると発表しています。

    世界的にもワクチン接種が進む中、今後の経済成長を織り込んで株価も安定しているため、不動産にも資金が流入しているという構図ではないかと思います。

    不動産価格は1年で1〜2割上昇した!?

    体感的には直近1年程度で、不動産価格が1割~2割程度は上昇しているように感じます。

    参考までに日経平均の推移と不動産の利回りを比較した図をご紹介します。

    日経平均の月次終値より当社作成
    不動産は年収800万円で2020年6月に時価1億円の物件を想定

    1年前の2020年6月を基準とした場合、日経平均は約30%近く上昇しています。

    その割合で不動産も推移したと仮定すると、1年前に1億円8%の物件は、現在は約6.3%の利回り相当価格になります。

    郊外の中古RCに関しては、さすがに日経平均と同じ割合で上昇していないと思いますが、1年前に表面利回り8%で成約した物件が現在は表面7%程度で成約しているように感じます。

    不動産は株価に半年程度遅れると言われるため、アメリカを中心とした世界的低金利を織り込んでも、しばらくは安定推移(緩やかに上昇)するのではないかと考えます。

    ちなみに直近の半年に限れば、リート指数は株式を上回る上昇率で推移しています。これは株価の上昇から半年遅れて上昇した、という見方もできます。

    出典:2021年6月18日 日経新聞

    金利はやや低下

    次に気になるのは金利ですが、直近の日銀の統計では金利の低下が見られました。

    制度融資による利子補給も含んだ金利のため、その反動も多少あるかと思いますが、引き続き低金利が継続していることが読み取れます。

    余談ですが、現在の低金利をチャンスと捉えるか、逆に高値警戒と考えるかは、各世代や過去の投資経験によるところが大きいでしょう。

    不動産にかかわらず投資は長期で行うのが鉄則であるものの、どうしても目先の値動きが気になってしまいます。そのため、あえて流動性が低い不動産を選ばれる方もいらっしゃるように感じます。

    投資歴や世代が投資スタンスにどう影響するか

    この観点での記事として岡三証券のトラウママップが興味深いと思いましたので、参考までにご紹介させて頂きます。

    出典:2021年6月18日 日経新聞

    上記のように各世代によって、株式市場の見方が異なることがわかると思います。

    6月のレインズ成約事例

    6月の1都3県の成約件数は昨年対比で約116%(成約数増加)で、コロナ前の水準に戻ってきました。

    • 2021年5月成約数:24件
    • 2021年6月成約数:28件

    レインズ在庫は1075件(平成元年築以降、1億~5億、都内、重複有)、先月の1077件から横ばいです。

    レインズより当社集計

    また、今月も下記レインズ成約事例からいくつか抜粋させて頂きました

    利回りは4%~10%まで様々ですが、立地・築年数・構造・遵法性の観点から、収益性と資産性のトレードオフの関係が見て取れます。

    2021年6月 レインズ成約事例(抜粋)

    ①「新所沢」駅 徒歩16分 昭和62年 S造

      売出価格1.5億⇒成約価格1.35億

      土地317坪 建物254.20坪

      成約利回り⇒約10.28%

      ポイント:利回り10%以上、二駅利用可能

      留意点:残存年数0、プロパン

      

    ②「江戸川台」駅 徒歩13分 平成5年 RC造

      売出価格2.28億⇒成約価格1.94億

      土地441.45坪 建物442.41坪

      成約利回り⇒約8.92%

      ポイント:土地441.45坪、EV無し、戸数分の駐車場あり

      留意点:残存19年、ハザードリスクチェック

      

    ③「さいたま新都心」駅 徒歩7分 昭和63年 RC造

      売出価格1.2億⇒成約価格1.17億

      土地62.21坪 建物102.62坪

      成約利回り⇒約7.52%

      ポイント:全面タイル貼り、二駅利用可能

      留意点:残存14年

      

    ④「鬼越」駅 徒歩1分 平成29年 S造

      売出価格1.48億⇒成約価格1.45億

      土地52.97坪 建物100.78坪

      成約利回り⇒約6.64%

      ポイント:駅徒歩1分、オートロックあり、ペット可

      留意点:一階店舗、浄化槽あり

      

    ⑤「三鷹」駅 徒歩12分 平成3年 S造

      売出価格1.73億⇒成約価格1.6億

      土地99.99坪 建物84.14坪

      成約利回り⇒約5.8%

      ポイント:修繕工事実施済み(外壁塗装、屋上防水、べランダ廊下防水等)

      留意点:利回り5%後半、残存4年S造

      

    ⑥「中野」駅 徒歩11分 平成27年 RC造

      売出価格2億⇒成約価格1.85億

      土地29.62坪 建物60.03坪

      成約利回り⇒約4.5%

      ポイント:容積300%、残存約40年

      留意点:利回り4%台、土地30坪

      


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